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くない心の叫びが伝わったからです。
控室で「この子をよろしくお願いします」、と頭を下げられた父親の姿は、私共に救いを求める悲しい親心が込められているようでした。
息子の手を握り「今度こそ更生して家に帰れるように頑張れよ」と諭す一言一句に切ない願いを込める愛情が、伝わるのか目が潤んでいました。「委託」、その重荷を背負い裁判所を出る。
久し振りの町の様子に興奮し「懐しい」と車の中でガイド役をしているB君。裁判所で説論された時の憎らしい姿は微塵も感じられないテンポの早い変身には、理解に苦しむ。三十分して家に着く。
降りる前から忙しく目を動かし、家中を小さい子供の仕草のように歩き廻り、「僕ね、小さい頃、あるお寺に百円持って、日曜学校に行ったことがあるよ」と当時を思い出したようです。「懐かしいな」「○○岩よく遊んだ、今頃どうしているかな合いたい」「お母さんがね、大阪に居ると聴いて捜しに行ったけどネ、見つからんやった」「田舎の我が家が古里とも思えたので

 

 

 

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